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インプレッサWRX シリンダーヘッド出来ました


EJ20Gのシリンダーヘッドがあがりました

今回はバルブは磨いたり、重量合わせはしていません。

重量もそろってたし、EJ20Gのバルブは”タフトライド処理”してありますので、汚れを落として表面を軽く磨いただけです。

”バルブ擦り合わせ”バルブ組み付け”の作業は何度か紹介しているので割愛します。

ご興味のある方はこちらをご覧ください

擦り合わせ
組み付け

前回の記事で予告したように、なぜショートストロークは高回転に強いかを説明します。

ピストンスピードが遅いこと”

”バルブ径が大きくできること”

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インプレッサWRX 燃焼室磨き・ポート研磨


ポート研磨しました

ポートはインテークは、ノーマルで形状がよかったので、形状には手を入れずにポート壁を磨いて滑らかにした程度です。

エキゾーストも拡大すると低速が痩せる恐れがあるので、同じような仕上げです。

その後に燃焼室を磨きました

燃焼室を磨く理由を説明をしましょう。

EJ20は非常にビッグボア(ショートストローク)のエンジンです

ボア×ストロークは92mm×75mmです。

一般的に

ショートストロークのエンジンは高回転で馬力(トルク×回転数。仕事率)があり

ロングストロークのエンジンは低回転でのトルク(軸の回転力)がつよい

といわれています。

本題に入る前に、このお話をしましょう。

ロングストロークのエンジンが低速から強いトルクを発生させれるのは

”モーメント長さ”があるため

といわれる方がいます

つまり、燃焼行程でピストンが燃焼ガスの圧力を受けながら上死点から下死点まで降りる行程でクランクシャフトが180°回転する訳ですが、ここのモーメント長さあるということですね

わかりすくいうと”てこの原理”で棒を長くしているイメージを浮かべていただくといいかと思います。

でも、この理屈は大事なことが抜け落ちていますね。

棒を押す力です。

エンジンの軸トルクは

力(ピストンに掛かる燃焼圧力)×モーメント長さ(ストローク)

ですので、ピストントップの面積が狭い分、ロングストロークは圧力が減るので、ビッグボアもロングストロークも同じです

では、なんでロングストロークが低回転でトルクがるあるか?というと・・・・・

今日はEJ20のお話ですので、ショートストロークは、なぜ低回転のトルクが細いか?という視点でお話しましょう。
どちらでも、同じ話ですが主題に合わせて視点をかえます。

ショートストロークが低速トルクが細いのは”熱損失”が多いからです。

エンジンの機械部分は部材が高温に耐えられない為、水を使って冷却しています。

エンジン内部では、一方で火を燃やして、一方では温度下げるということしているのです

エンジンは燃焼ガスの圧力を軸トルクに変換しているのですが、高温で燃焼する燃焼ガスはピストントップや燃焼室の表面。ピストンが下がっていくと現れるシリンダー壁に熱を奪われていきます。

ショートストロークのほうが、シリンダー内部の容積に対して面積が広くなります。

ですから、ショートストロークのほうが熱損失が多く燃焼圧力が下がるということです。

もう1点、ノッキングの問題があります。

エンジンは混合気を圧縮して点火プラグによって点火をします。
点火プラグを中心に火炎が広がる様に燃焼します。
我々の時間感覚ですと混合気は一瞬で燃えているような感覚がありますが、実際は火種(プラグ)から”燃え広がっているのです。

そして燃焼ガスは膨張していきます。
点火プラグから遠い場所にある未燃焼の混合気(エンドガス)はピストンやシリンダー壁面に押しつけられ、断熱圧縮により高温・高圧になります。
高温・高圧が限界を超えるとエンドガスは一気に自己着火し、その際に衝撃波が発生します
これがノッキングです

燃焼室の形状上、ショートストロークのエンジンは、ロングストークに比べてエンドガスの距離が遠くなるので不利です。

そして、ノッキング対策として、点火時期をMBT(Minimum advance for the Best Torque.点火時期のみを変化させた際、トルクが最大となる点。)から”遅らせて”いくことになります。

以上が、ショートストロークが低回転のトルクで不利な理由です。

でも、この理屈だったら、ショートストロークは効率が悪いので高回転でも同じことで高回転で馬力がでることに納得がいきません。

ここは、今後バルブ周りを弄っていくときに説明しますのでご期待ください。

今日の本題です

燃焼室を磨く理由は

①表面のデコボコを少しでも修正して面積を減らす。

②バリやエッジの立っているところは、ヒートスポットになり、そこから着火してしまうので、きれいに仕上げておく

ということです。

ビッグボアのEJ20には有効な加工といえるでしょう。

ロングストローク(内径×行程:56.0×66.8)のEN07Xを磨いても
あまり意味がないのか?

EN07系は、またある問題があるので有効なのです。

そこは、また今度説明します。

また、このショートストロークとロングストロークの説明を使うと

私が”ヴィヴィオ保存会会長”でありながら
ホンダの”ZC型エンジン”を”名機中の名機”と考えている理由も説明できます。
これも、また記事にします。

まさに”1粒で3度美味しい”お話です。

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